ご依頼者:大阪府在住 山本さま(62歳・女性)
着物:叔母の紫色の総絞り小紋(昭和60年頃)
用途:自身の還暦祝いと、日常で楽しむサマードレス
「独身を通し、お洒落だった叔母が大切にしていた一枚です。袖を通す機会がないままタンスに眠らせておくのはもったいないと思いました」
持ち込まれたのは、上品な藤色に扇のような絞り模様が並ぶ、非常に素敵なお着物でした。
今回のリメイクでこだわったのは、「絞り特有の伸縮性とボリューム感の活用」です。
絞りの生地は、裁断するとその立体感が損なわれやすいため、胸元に贅沢なシャーリング(ゴム通し)を施すデザインを採用しました。
これにより、絞りの柔らかな質感をそのままデザインの主役に据えることができました。
反物幅を活かしたロング丈に仕立てることで、動くたびに絞り模様が美しく揺れる、現代的で軽やかなサマードレスへと生まれ変わりました。
完成したドレスを手にした佐藤さんからは、「鏡の前に立つと、叔母の姿を思い出します。この夏はこれを着て、出かけたいと思います」とメッセージをいただきました。